今回の里山グリーンインフラ勉強会は、里山グリーンインフラネットワーク代表の西廣さん、事務局メンバーである三輪さんより、「自然環境とビジネスに関する最近の動向」というテーマで話題提供をいただきました。
■日 時|2022年9月12日(火) 20:00~
■参加者|28名(WEB)
■勉強会概要|
三輪さんからは、近年の自然環境と社会経済活動を取り巻く国内外の潮流として、社会経済活動の負の影響の緩和をしなければビジネスも持続的とはならず、自然資本の減少に対する対策の重要性が高まっていること、さらには、具体的な対策の実施に向けた枠組みとして、企業版ふるさと納税や、OECM※1、TNFD※2などについて、お話いただきました。
また、西廣さんからは、地域の生態系管理・活用における地域と企業の連携のあり方等について、お話いただきました。
※1:OECM(Other Effective area-based Conservation Measures):国立公園等の自然環境保護地域以外の里地里山等で生物多様性に貢献する場所
※2:TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース):企業等が自身の経済活動による自然環境や生物多様性への影響を評価し、情報開示する枠組み
講演後の意見交換では、以下のような意見がありました。
・企業の取組の動機としては、投資家の評価ということになるのか。単にOECMに認定されるということだけでは難しいのではないか。
・生物多様性に企業が取り組むとして、多くの選択肢の中から何を選ぶか。その場合、どのようなストーリーが描けるのかが重要ではないか。
・カーボンニュートラルとの組合せによる活用(証書化)などは、企業にとって直接的な価値につながる可能性がある。
・中小企業や個人がOECNやTNFDに取り組むモチベーションは何か。経済合理性を超えた支援ができるのが中小企業という側面もある。
・地権者にお金が回る仕組み、地権者のメリットが重要となるのではないか。
■事務局コメント|
今回の勉強会では、活動されている皆さんから課題として挙げられている企業との連携について、背景や様々な事例を交えて説明いただいたことで、国内外で自然資本の保全・活用の主流化に向けた動きが本格化していることが共有されるとともに、活発な意見交換がなされました。
今後は、具体的な取組に結び付けていけるような動きが出来れば良いと思います。