遊休たんぼ活用プロジェクト
◆プロジェクト背景
耕作放棄地問題
千葉県北部では、谷津を中心に水田の耕作放棄が進行しています。放棄からの時間が経過すると藪化・樹林化が進行し、ますます復田が困難になり、またイノシシの住処になるなどの農業リスクを生んでいます。
湿地・田んぼの需要
生物の生息を重視した水田など、独自の田んぼづくりを行いたい個人や団体は多く存在しています。またコロナ禍で家族・友人単位で利用できる自然地ニーズが高まっています。
谷津の水田・湿地のグリーンインフラ機能
適度に手入れがされた湿地は、生物多様性保全、水質浄化、治水などグリーンインフラ(自然を活かした社会基盤)としての機能をもつことが検証されています。気候変動の進行等に伴い、これらの機能の重要性は年々高まっています。
◆プロジェクト概要
目的
耕作放棄水田を、治水、水質浄化、生物多様性保全、子どもの自然体験など、グリーンインフラとしての機能をもつ水田あるいは湿地として活用することが目的です。また草刈り・耕起などの撹乱により、容易に水田に戻せる状態を維持することも重視します。これらの農地活用を、農家にもメリットがある形で継続する仕組みの確立を目指します。
概要
土地所有者(=農家)、遊休たんぼ活用研究会(=研究会)、利用者は以下の役割を担います。
1)「土地所有者」は、「研究会」に利用を許可し、研究会が紹介する「利用者」の立ち入りを許可する。土地を貸出すのではなく、農地管理の手伝いをさせるという位置づけとする。田んぼの状態については「荒れ地になるよりはよい」という寛容さで見守る。
2)「遊休たんぼ活用研究会」は、調査研究の場として農地を利用する。土地所有者と利用者の相互紹介、技術的支援、トラブル対応を担う。研究の内容や成果を農家と利用者に報告する。
3)「利用者」は、土地の貸与を受けているわけではなく農地の管理を手伝っているという位置づけであることを意識し、重要事項は土地所有者の判断に従う。心配な点が生じた場合は「研究会」に相談し、研究会は必要に応じて農家と相談する。